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まめぱん通信 − まめぱんだより
■ 試行錯誤のパンづくり ■

さて、パン屋さん開業を思い立ったは良いものの、いざ本格的に始めるとなると、喫茶店のお手伝い程度の経験と知識では少々不安になってきました。

できれば基礎からきちんとパン作りを勉強し直したいところ。

理想をいえば、実際にパン屋さんに入門してそこでしばらく修行するのが一番なんでしょうけど、そこまでの覚悟も時間もない私にはちょっとハードルが高い。

まずはお手軽に、市販の入門書で勉強してみることにしました。

とりあえず基礎知識を得るだけなら、本でも間に合いそうに思えましたので。
ひととおり勉強してみた結果、「やっぱり本だけじゃだめだ」と感じるようなら、そこで改めて次の方法を考えればよいのだし。

さっそく本屋さんで参考になりそうなものを何冊か買い求め、勉強開始です。



さて、天然酵母パンの基本材料は実にシンプル。小麦粉、水、酵母、そして塩と砂糖。これだけです。

でも実際にやってみると、これが思ったより難しい。

文章や写真だけではよくわからない部分も多くて、自分なりの解釈で工夫してみたりするのですが、なかなかうまくいかず、やればやるほど頭の中はデータでぐちゃぐちゃ状態でした。

粉を捏(こ)ねる時間。本のとおりにやってみたり、時間や量を変えてみたり。

水分の量。本の分量を参考にしつつ、粉の乾燥状態も関係するので湿度計とも相談しながら微調整。

塩や砂糖は何を使うか。そしてその量。

発酵時の温度・湿度の管理、などなど。

前回と同じ捏ね時間で、温度も一定にしたつもりでも、ぜんぜん違う焼き上がりになったり。

「なぜ??」の連続でした。

失敗したパンは数知れず。

いくら硬めのパンが好きな私でも、とても歯が立たないガチガチの石のようなパンになってしまったり。

かといって捨てるのももったいないので、そういうのはかわりに森の動物たちに食べてもらいます。(^-^)

(森の木の根っこの穴に夕方置いておくと、きまって朝にはきれいになくなっているのです)

黒こげになってしまったパンは、薪ストーブで燃やして灰に。(あとで肥料として畑に撒きます)

こまかい屑などは庭に適当にまいておけば鳥がやってきて食べてくれるので、失敗パンも無駄にはなりません。(^-^;



何日も何日も、そんな失敗をくり返しているうちに、ぼんやりとですが出口が見えてきました。

レシピに頼りすぎてもいけないのです。「発酵時間27度で6時間」と書いてあっても、その他さまざまな要因がからむので、6時間では足りないことだってある。

へたに数字に振り回されるのではなく、まずは酵母の状態をきちんと把握することが大事だと気づきました。

ちゃんと酵母の味見をして、舌で酵母の状態を確認。(どぶろくのようなものなので、少々酔っ払いますけどね)

こまめに酵母やパン種の様子をみて、こね上がりのタイミング、オーブンに入れるタイミング、それを逃さないこと。

それと発酵にかける時間。じっくりゆっくり発酵させた方がおいしくなることもわかってきました。

あまりに寒い日は酵母の動きも鈍るのか、生地がちっとも膨らまない。

そんなときは部屋全体を暖めたり、ホイロ(発酵器)に入れてみたり。少しだけ活動の手助けをします。

暑い日には酵母も元気に働いてくれますが、放ったらかしにしておくと張り切りすぎて発酵が進みすぎ、パン生地がダレてだめになってしまうこともあります。

そんなときは、こねる水を氷水にしてみたり、とにかく冷やして発酵がゆっくり進むように調整します。

空気が乾燥気味のときは、ほんの気持ち水分を多めにしたり、発酵中のパン種に霧吹きで水を与えたり…。

要するに、酵母も「生き物」ですから、温度や湿度などの環境を調整して、活動をうまくコントロールしてあげなければいけなかったのです。

こういうことは、やはり本だけで理解するのは難しくて、試行錯誤を繰り返しながら経験で覚えるしかありません。

そうやって準備さえ整えば、あとはもう酵母におまかせです。

余計なことをせず、酵母に任せておけば、彼らがちゃんと美味しいパンに仕上げてくれるのです。

のんびり待って、そしてタイミングよくオーブンに入れる。これでまず失敗することはなくなりました。

(つづく)

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