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まめぱん通信 − まめぱんのこだわり
■ 小麦粉 ■


お米に「コシヒカリ」や「ササニシキ」といったブランドがあるように、パンの原料の小麦粉にもさまざまな品種があります。

国産小麦で代表的なものは「ホクシン」「農林61号」などですが、これらのほとんどは、うどんなどに用いられる中力粉タイプです。

パンに最適なのは力強いグルテンを生成できる強力粉なのですが、しかし国内で流通する強力粉はそのほとんどが海外からの輸入品で、「ハルユタカ」など僅かな品種だけが北海道を中心としたごく一部で生産されているにすぎません。

食糧庁の平成14年度のデータによりますと、国内で流通する小麦粉はその85%を輸入に頼っているそうです。こんな状況ですから、巷のパン屋さんなどでは入手が容易で安価な外国産の小麦粉を使うのが一般的です。

しかし近年、より安全な国内産小麦を求める動きが高まるにつれ、パン屋さんたちの中でも「こだわり」を持って国内産小麦粉でパンづくりを行うお店も出てきました。「国内産の強力粉」となると、これはもう北海道産ハルユタカくらいしか選択肢はないので、ハルユタカの人気はうなぎのぼり。あまりの人気ぶりに、最近では生産が追いつかないほどで、パン屋さんでもよほど特別な仕入れルートを持っていない限り、入手困難な状況がつづいています。

さて、現在当店では人気のハルユタカではなく、「ナンブコムギ」という品種を使っています。これはもちろんハルユタカが入手困難だからというのも理由のひとつなのですが、最大の理由は、あらゆる方向から検討した結果、当店のパンに(現段階で)最も適した品種と思われたからです。

■ 理由その1 − 軽いパンより食べ応えのあるパンを

ナンブコムギはどちらかというと中力粉に近い「準強力粉」で、強力粉であるハルユタカに比べるとパン生地をふわっと膨らませるグルテン力はやや弱いのです。が、当店の場合、小麦本来の味をより深く味わっていただくために、「ふわふわのパンより目の詰まったずっしり重いパン」を目指しており、この方向性により適していたのがハルユタカよりもむしろナンブコムギの方であった、というのが理由のひとつです。

■ 理由その2 − 安全性

国内産の小麦粉だからといって、100%安全だとは限りません。まずそれ以前に、無農薬・有機栽培されたものであるかどうかが重要です。
幸い、現在の取引先は以前からよく知る製粉業者で、たいへん信頼のおけるところです。岩手県にあるこの業者が力を入れていた製品が、地元岩手県産のナンブコムギであった、というのも、この品種を選んだ大きな理由です。

参考までに、当店のパンに使っているここのナンブコムギのデータです。

・栽培地 … 岩手県紫波郡紫波町および矢巾町
・元肥 … おもに麦わらを使用
・添加物 … なし
・農薬散布 … なし
・除草剤 … 水田転作の場合は不使用。ただし、連作の場合は使用することもあり。

■ 理由その3− 100%自家生産を目指して

現在、当店ではライ麦を100%自家生産していますが、あいにく小麦はまだそこまで準備できていません。

もちろんいずれは小麦も自家生産で、と考えているのですが、しかしたとえばハルユタカをこの長野北部の地で栽培したとして、北海道産に負けないくらいのものが出来るかといわれると、正直言って自信がないのです。

国内産の小麦粉は、現状そのほとんどが北海道産なのですが、それはやはり北海道の冷涼でしかも梅雨のない気候が小麦の栽培に適しているからで、特に外麦(外国品種)に近い性質であるハルユタカなどは北海道のような冷涼な気候でこそ本来の性質を発揮できると考えられます。

この気候のハンディばかりはどうしようもありませんから、無理をして北海道のハルユタカと競うより、むしろこの長野の地に合った品種で勝負した方が賢明だと考えました。いちおうハルユタカも実験的に育ててみたいとは思いますが、まずは第一候補として、岩手県でも育つナンブコムギでのパンづくりを優先的に試してみようと思ったのです。

また、それと併せて、地元産の粉も積極的に研究していきたいと考えています。
もともと千曲川流域を中心として、この地方は昔から米よりも粉の文化圏であり、古くからうどん用の小麦が各地で栽培されていました。ひょっとすると、この地方だけに知られるマイナーな品種でパンに応用できそうなものがどこかで知られず細々と栽培されているかもしれません。そういう地元に根ざした品種こそ、積極的に探し出してパンに使っていきたいというのが当店の考え方です。